FAO Food Balance公開データに基づく総合自給率、品目別自給率のグラフ化に続く、一連の試みです。
「FAO Food Blance」には、各種の情報が含まれており、それらを知る手掛かりのため、データの可視化に役立てばということで、いくつかのパターンでグラフ化してみました。
条件を変えて様々なパターンでのグラフ表示ができるシステム画面となっています。
主に3つのパターンがあり、その1からその3までページを分けています。このページでは、それらの概要をまとめて紹介しています。
その1、その2、その3のページに表示するグラフで、下記、「1.これらのグラフで分かること」に記載するようなことが分かります。
それぞれページで、具体的な内容を確認ください。
1.これらのグラフで分かること
以下の3つのパターンがあり、それぞれにページを分けています。グラフとともに元になるデータ一覧表も表示しています。但し、いずれもFAOが「Foo Balance]として公開しているデータに基づいています。
(1)パターン1:
例えば、コメなどある特定の品目について、食料にしている量、生産量、輸出量が多いのはどこの国か、などを知ることのできるグラフと一覧表。
(2)パターン2:
ある任意の国で、主に食料としているのはどんなもので、Proteinや、Fatの元にされている食品はどのなものか。また、輸出や、輸入している食品は何かを知ることができるグラフと一覧表。
(3)パターン3:
全食品合計で、一人当たりの食料供給量の多い国、あるいは、全食品合計で輸入、輸入の多い国はどこ、さらに、ある特定の国で食品としての供給や輸出入を構成する個々の食品目は、どうなっているかを示すグラフと一覧表(※)。
(※)重複もありますが、少しグラフの形が違ったりしてます。
2.具体的なグラフサンプルと概要説明
具体的にどんなグラフと一覧表か、以下が、それぞれのパータンについてのサンプルグラフです。
なお、グラフの元になるデータは、Area(国)、Item(品目)、Element(利用区分など)で構成されており、これらの指定と組み合わせで各種グラフ化しています。具体的な内容は、こちらを確認ください。
パターン1のサンプルグラフ
例えば、コメ(Rice and Products)の一人当たり食料供給量の多い国を示すグラフ。
X軸はArea(ほぼ国名)です。折れ線がItem(コメ)の一人当たり供給量(FoodSupplyQuantiry(Kg/capita/Yr)で、Itemは任意に選択可能です。棒グラフは、国全体の生産量※(Production)と国内消費指向量※(DomesticSupplly)を示しています。(※単位は1000トン)
なお、FoodSupply(kg/capita/Yr)、Production、DomesticSupplyなどは、各Element要素として区分され、それに応じた値が元データに登録されていいます。
このグラフを見て、意外なことに、なんとJapanは、コメの一人当たり供給量が44番目になっています。
では、生産量はどうかといったことは、このグラフで「Element」を「Production」に変えることで、知ることができます。詳しくはこちらの「FAO Food Balanceの可視化ーその他の各種ランキング(その2)」ページで確認できます。
パターン2のサンプルグラフ
パターン(1)のグラフで、一人当たりのコメの食料供給が最も多いArea(Bangladesh)で、Item(コメ)を含めElement(食料)としてどのような品目が供給されているかなど、特定の国について、指定のElementを構成するItemを示すのが以下のグラフです。
[Rice and Products」が圧倒的割合で、2番目の「PoPotoes and Products」と大きな差があるようです。
また、このページの2番目のグラフで、「Rice And Product」については、生産で賄っているのか、それとも輸入しているのかどうかも分かります。
つまり、国内消費志向(DomestiovcSupply)に対して、生産(Production)の量がほぼ匹敵しています。
同じくコメを主食とする日本と、これらの状況は同じなのか違うのか、詳しくは、こちらの「FAO Food Balanceの可視化ーその他の各種ランキング(その2)」に進んで、Areaを「japan」にかえることで、確認することができます。
パターン3のサンプル
食品構成のまえに、そもそもが、一人当たりの食品供給量にどれほど国による差があるのか、経済事情や体格による相違があるのか、などに関するのが以下のグラフです。
全品目のElement(FoodSupply(kcal/capita/day))を合計した値のグラフです。トップの米国はともかく、それ以下の国々の並びや、Japanが130番目というのは、意外な順序になってます。
さらに2番目のグラフで、たとえばArea「United States of America」では、Element「FoodSupply(kacl/capita/day)」を主にどんなItem(品目)で賄っているかが示されています。
赤が、個々のItem(品目)ごとのElement「FoodSupply(Kcal/capita/day)」で、積み上げの棒グラフになっています。折れ線は、各品目の自給率を示しており、上位にある主要な品目はほぼ自給できているように見受けられます。ん。
なお、Kcalではなく、Element(FoodSupply(kg/capita/Yr))でのグラフ表示もできますが、意味合いが少し違ってくるかもしれません。
2.元データ、および条件指定について
(1)元データについて
1)元データの出処:
元データは、一般公開されている「FAO Food Balace」データで、csv形式でのダウンロードが可能です。こちらのページの説明をご覧ください。
2)元データの構成:
データの内容は、基本的に以下の構成になっています。
1)Area:
ほぼCountryなのでしょうが、Countryとは違う区分も含まれるので、Areaとしているのだろうと思います。たとえば、「China」、「China mainland」、「China hongkong SAR」などがあり、全体をまとめた「china」と、いくつかに分けた、「China mailland」などは、重複して登録されているようです、
2)Items:
各種の品目名です。英語名になっていることを含め、区分がよくわからないものも含まれます。
たとえば、同じfishでも、「Freshwater Fish」「Marine Fish Other」「Demarsal Fish」「Pelagic Fish」などがあります。これらは、chatGPTとかに聞いてもらうと分かるかと思います。
3)Element
各Itemに対して、以下のようなElement区分で、値(Value)と単位(Unit)が登録されています。
直感的にわかるAreaや、Itemに比べ、少しわかりにくいので、これを理解するのがポイントかもしれません。
各Elementの相互関係など詳しくは、FAOサイトなどで確認ください。
Area、Itemと適切な組み合わせを設定できれば、求めるものが得られるのではないでしょうか。
No | Element | Unit |
1 | Total Population Both sexs: | 1000 persons |
2 | Stock Variation | 1000 tonnes |
3 | Losses | 1000 tonnes |
4 | Processing | 1000 tonnes |
5 | Food | 1000 tonnes |
6 | Other Uses(non-food) | 1000 tonnes |
7 | Residuals | 1000 tonnes |
8 | Domestic supply quantity | 1000 tonnes |
9 | Feed | 1000 tonnes |
10 | Food | 1000 tonnes |
11 | Seed | 1000 tonnes |
12 | Import quantity | 1000 tonnes |
13 | Export quantity | 1000 tonnes |
14 | Food supply quantity(Kg/capita/yr) | Kg |
15 | Food supply(kcal) | million Kcal |
16 | Food supply(Kcal/capita/day) | kcal/capita/day |
17 | Protein supply quantity(g/capita/day) | g/capita/day |
18 | Protein supply quantity(g) | g |
19 | Fat supply quantity(g/capita/day) | g/capita/day |
20 | Fat supply quantity(g) | g |
(3)グラフ表示のための条件指定
上記の、「Area」、「Item」、「Element」を指定することで、いろいろな意味合いのグラフになります。
各パターンでのグラフ表示のための設定などは、以下に示すリンク先の各個別のページで確認ください。
また、それぞれのページに実際のシステム画面があり、そこで、操作ができます。
3.各ページ構成と個別ページへのリンク
(1)パターン1:FAO Food Blanceの可視化-その他のランキング(その1)
(2)パターン2:FAO Food Blanceの可視化-その他のランキング(その2)
(3)パターン3:FAO Food Blanceの可視化-その他のランキング(その3)
基本的に、「FAO Food Balence」に基づいてグラフ化しており、別の角度からデータの可視化を試みたもので、相互に関連しています。それぞれを利用することで、データの全体像の把握に役立つのではないかと思います。
3.まとめ
3つのパターンでのグラフ表示機能によるシステム画面を用意しました。各ページで、詳細を確認の上、システム画面を操作してみて頂ければと思います。また同じデータを基にしており、重複や、相互に関連もあります。一つのページだけではなく、それぞれを利用してみるとさらに、いろいろなことが見えてくるのではないでしょうか。
ただし、システムの誤りや、データ解釈に誤解があるかもしれませんので、正確なところは、元データを確認ください。
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