天井裏の侵入者を撃退(効果的だった対策)

天井裏で物音を立てている何者かを追い払い静寂な夜を取り戻すことができた。 たぶん効果的だったのは、オオカミの匂いとオオカミの鳴き声だったという話。 そして、思いがけず直面することになった命のはかなさについて。

天井裏の侵入者

夜になると、天井裏から何やら物音がする。 何かが侵入している模様。可能性を調べると、ネズミ、ハクビシン、アライグマといったとろか。大小さまざまな足音が混じっているようだが、天井を突いて、おどかすと、突如大きな音がしたりする。これはネズミのサイズではではなさそう。 一度おどかすと、しばらく物音がやむし、眠れなくなるほどでもないので、何か対策が必要とは思いつつも、妙案が浮かばず、そのまま手をこまねていた。 ところが、ここにきて、毎晩騒がしい。天井を突いておどかしても、一瞬静かになるだけといった状況になってきたため、改めて対策を決意。  

撃退策

  業者に依頼すれば確実なのだろうけれど、大袈裟なことになりそうなので、まずは、自前でできることを試すことにした。

めぼしい進入路を閉鎖

  そもそも、屋根の軒下に天井裏へ侵入できそうな穴が開いてしまっているので、100均の台所用ワイヤネットで塞いでみた。しかしながら、塞ぐといっても完璧ではなく、ないよりましといった気休め程度の代物にしかならなかった。

決定的な対策

  更に対策を探して見つけたのが、撃退の為の匂いの素。近所のホームセンターで、オオカミの匂い袋などを購入して、天井裏への入り口や経路になりそうなところに置いた。結果的に、これが効いた模様。 但し、併用したので、どれが効いたのか正確なところは不明。  

侵入者の正体

  オオカミの匂いを置いた翌日の昼前、それから、翌々日の夜になって、侵入者らしきもの達が姿を現した。

まさかの狸

  オオカミの匂いを置いた翌日の昼前に姿を現したのは、こいつ。
疥癬症っぽく、体を掻くのに気を取られていたせいか、こちらが網戸越しに見ているのに悠然としている。 その後、我が家の猫たちが窓越しに見ている前を、ゆっくりと藪の中に消えていった。  

毛玉(なにかの子供)

  狸が姿を見せたその夜、また物音が聞こえてきた。まだ完全に撃退するまでには至らなかったのか。 それならということで、今度は、YouTubeでオオカミの声を流した。家の猫たちがおびえるので、音量を抑えつつも、それに加えて、天井をつついたりすると、どうやら物音はおさまってきた。 そして日が変わった次の夜、猫たちが玄関の前でざわついているので開けてみた。茶色っぽい毛玉が家の中に入ってきそうなのに気づき、あわてて追い払った。すると軒先の物陰に隠れ、近づくと今度は威嚇してくる。猫なら生後2から3か月くらいの大きさに見えた。きっと狸の子供だろうと思い、かわいそうな気もしたので、とりあえず猫の餌を置いておいた。

親にはぐれた毛玉

  その夜、天井裏の物音はしなくなっていたので、侵入者は出ていったのだろうと思った。 次の朝になって、毛玉の姿も消えていた、餌には口をつけていない様だった。親タヌキは、子供を連れて引っ越したのか、それとも置き去りにしたのか。 ともあれ、簡単な方法で天井裏から追い出せたようで、安堵でほっとした。  

親は来なかった

  ところが、その日の夜、玄関わきの物陰の隅にうずくまっている毛玉の背中を見つけてしまった。親には巡り合えなかったのか。それにしても、なぜ我が家の玄関先なのか。家の周囲は藪と畑ばかりで、行くところはいくらでもありそうなものを。 雨が降りはじめ、気温も下がってきた。不憫になって、哺乳瓶でミルクを与えようとしたが、無理だった。親タヌキの姿を見ていたので、触りたくなかったし、予想外に威嚇が怖くて、噛みつかれそうだったから。 しかたなく、段ボールに古着とペットボトルの湯たんぽを置き、親との再会を祈った。  

瞑想を祈るよりなかった

  雨は、翌々日の夜明けまで続いた。 ときおり親を呼ぶような鳴き声がしていた。様子をうかがうと、うずくまっていた場所にはその姿がなかった。 段ボール箱は、開口部を玄関前のコーナーに向けていたので、中が見えない。中にいるかどうか分からないが、取りあえずペットボトルの湯タンポをもう一つ追加した。 雨が止んだ次の日の昼、祈るような気分で、段ボール箱を覗いてみた。恐れていたことだけど、やはり、隅に毛玉の背中が見えた。親は来なかったのだ。   改めて意を決し、手袋を装着して、哺乳瓶を手にした。吸わなくても出るくらいに先端をカットした。 けれど、結局は、何もできなかった。すでにこと切れていたから。暗澹とした気分になった。雨の中、聞こえていた鳴き声は、断末魔だったのか。   役場に保護を求めればよかったのだろうか。せめてもの償いのような気分で、庭に埋葬し花を添えた。小さな手の肉球が幼気に見えた。
 

毛玉の正体

  あまり触れたくなくて、顔を確認せずに埋葬したが、その後、次第に違和感がわいてきた。改めて、画像を見返し、ネットの情報とくらべてみると、これはどうも狸ではない。しっぽが違う。このしっぽは、どうみてもハクビシンではないか。 天井裏では狸と共存していたのだろうか。もっとも、タヌキが天井裏にいたかどうかも定かではないのだけれど・・・。  

戻った夜の静寂

  ともあれ、天井裏の物音はしなくなった。オオカミの匂いと、鳴き声は効果絶大だったわけだ。 そして、置き去りになって亡くなったのは狸ではなく、ハクビシンの子。少し気持ちが軽くなった。同じく生き物の命。害獣と軽んずるのは人間の身勝手な価値観。そうは思っても、理性の及ばぬ感情としか言いようがない。そんなことを思いつつも、庭の墓にもう一度手を合わせた。
 

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