人口移動調査をもとに関東6県の動向を可視化

2021年1月29日付で総務省から公開された、住民基本台帳人口移動調査をもとに、関東6県の人口移動動向を可視化してみました。 やってみたのは、以下のとおり。なお移動数は、県外への移動数です。 (1)関東6県の年間の人口移動 (2019年と2022年) (2)関東6県の月別の人口移動 (2019年から2022年) (3)東京から関東6県への移動数 (4)高齢者の移動 (5)茨城県内市町村別の移動数の層別  

元データの取得

  元データは、独立行政法人統計センターが運営するサイト、政府統計の総合窓口(estat)で閲覧したり、ダウンロードしたりすることができます。 上記サイトで、「人口・世帯」で絞込みをすると、「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」が表示されます。   統計資料は、年齢階層別や、男女別、日本人・外国人別、月ごとの転入数と転入数を含むものなど様々なものがあって、かなりのデータ量になります。   そのため、どこにどのようなデータが収められているか、なかなか把握しきれないのですが、目についたものを取得することにしました。    

データの加工と可視化

  取得したデータを元に、可視化のために、以下、グラフ化や地図表示などしてみました。    

関東6県の年間の人口移動 (2019年と2022年)

  関東6県の転入総数、転入超過数をグラフ化してみました。 当然ながら、東京の人口移動が圧倒的に多いのですが、2020年は、2019年くらべ、東京の転入数や転入超過数が減ってきている傾向にあります。しかしながら、年間では、まだ転出より転入の方が多いということです。    

関東6県の月別の人口移動 (2019年から2022年)

  月間の推移をみると、年間の数字では分らなかったことですが、昨年7月ころより、東京も、転入よりも転出が上まわってきていることが分かります。   なお、3月から4月にかけて、東京への移転が集中的に発生してきたことが、グラフに現れています。  

東京から関東6県への移動数

  東京からの関東6県への移動は、すでに報道されているように、移転先は、埼玉、神奈川、千葉あたりが多いようです。      

高齢者の移動

  65歳以上の高齢者の移動にしぼってみると、以前から東京からの転出の方が多いのですが、昨年後半から、その傾向が加速しているようです。  

茨城県内市町村別の移動数の層別

  わが地元の茨城県について、2020年の市町村別人口移動を確認してみました。赤で塗られた、つくば市への移転が、特に多いことが分かります。    

地図表示について

  国が運営するestatからの統計データを利用し、QGISで、地図表示してみたのですが、久々に使ってみて、戸惑うことがありました。   行政界の地図データとリンクする属性データをcsvで読み込ものですが、データの型が想定の型になっておらず、地図データとリンクできなかったり、移動人口数で色分けしようとしても該当のフィールを選べなかったりしました。   詳しい操作は、改めてまとめる予定ですが、ポイントだけを書いておくと以下の通りです。  

QGISに属性データ(csvファイル)を読み込む際の留意点

  (1)csvデータの各項目のデータ型判別のためのcsvtファイルが必要   (2)csvtファイルなしの場合、「フィールド計算機」の機能を使えば型変換できる   QGISの操作について、以前、こちらに記載していましたが、上記については、あまり意識していませんでした。   型が合わないといったトラブルの場合、上記をネットで検索すれば解決策が見とかると思います。  

あとがき

  リモートワークなどで、東京からの転出が増えているかと思いましたが、昨年までの段階では、それほど顕著ではなさそうです。ですが、これから、この傾向は加速していくのではないでしょうか。 このような予測を踏まえ、地方移転の支援制度や、つくばエリアの仕事情報など、今後も取り上げていく予定です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました